発表日
令和7年3月27日
概要
海上保安庁は、鳥島の西方にある鳥島海丘の海底地形調査を実施し、同海丘が浅い山頂を有する活動的な海底火山であることを発見しました。
本文
- 概要
海域火山基礎情報調査の一環として、3月1日から2日にかけて、測量船「拓洋」による鳥島の西約20kmの鳥島海丘(参考1)の海底地形調査を実施しました。
その結果、鳥島海丘全体の詳細な地形が初めて明らかになり、山頂部の最浅水深は76mで、従来知られていた水深よりも300m以上浅いことが分かりました。また、過去に溶岩の流出を伴う噴火を複数回発生し、現在も噴気等を発生している活動的な海底火山であることが分かりました。
海上保安庁では、引き続き、船舶の航行安全に資する海域火山の基礎情報の収集・整備に努めて参ります。 - 調査結果
(1)底面の直径が約10km、比高は約1000~1500mの円錐形の山体であり、山頂部の最浅水深は76mで、従来知られていた水深(411m)よりかなり浅いことが分かりました。
(2)山体の斜面には溶岩流地形が複数確認されました。
(3)海中からの音の反射記録を解析した結果、山頂部の火口状の凹地において、南北約350m、東西約200mの範囲にガス・熱水が噴出している様子が確認されました。 -
浅海域の海底火山に詳しい国立科学博物館 谷 健一郎研究主幹コメント(抜粋、参考2)
今回の調査によって、鳥島海丘の山頂の水深が従来の観測よりもずっと浅く、噴気等が存在していることが判明したが、小規模な噴火でも海面上に影響が出る可能性があり、火山防災上も重要な発見である。今後、より詳細な調査を行い、過去の活動履歴などを調べることが必要である。