発表日
令和7年3月3日
概要
海上保安庁は、海賊対策のため令和7年2月21日から同月28日までの間、航空機を派遣のうえ、東南アジア周辺海域の公海上でのしょう戒を実施し、ジブチ共和国及びマレーシアに寄航しました。
ジブチ共和国では、ジブチ沿岸警備隊と海賊護送訓練を実施したほか、現地海上保安機関を訪問し、連携・協力関係の強化を図りました。
さらに、マレーシアにおいては、国連薬物・犯罪事務所(UNODC)と連携し、同機を使用した海洋状況把握(MDA)にかかる研修を行いました
引き続き海上保安庁では、これらの取組を通じ、インド太平洋海域における法の支配に基づく自由で開かれた海洋秩序の維持・強化に貢献してまいります。
本文
- 公海上でのしょう戒
東南アジア周辺海域の公海上において、航空機「うみわし」による海賊行為の監視警戒を実施しました。
- 表敬訪問
海上保安監 彼末 浩明(かのすえ ひろあき)を団長として、現地海上保安機関を表敬訪問し、海賊対策にかかる連携・協力等について意見交換を実施しました。
2月23日 ジブチ沿岸警備隊(DCG) ワイス長官と会談
2月27日 マレーシア海上法執行庁(MMEA) サイフル次長と会談
※DCG:Djibouti Coast Guard
※MMEA:Malaysia Maritime Enforcement Agency - ジブチ沿岸警備隊と連携した海賊護送訓練
2月24日、ソマリア沖・アデン湾で逮捕した海賊の身柄を円滑に護送するため、ジブチ沿岸警備隊と連携して、ジブチ共和国を経由して我が国に護送する必要が生じた場合を想定とした海賊護送訓練を実施しました。
※海上保安庁では、ソマリア沖・アデン湾で海賊事案が発生した際の司法警察活動に備え、海賊対処のため派遣される海上自衛隊の護衛艦に海上保安官を同乗させています。 - UNODCと連携したMDA研修
2月24日から26日の間、マレーシアでUNODCが主催するMDA研修に海上保安庁職員を派遣し、マレーシア、インドネシア、フィリピン、ブルネイの海上保安機関職員に対し、海洋監視等のノウハウについて講義を行いMDAに関する能力向上支援を実施しました。本研修では、海上の状況を監視して情報を収集し、不審な船舶の発見や海難救助等に迅速に対応するための技術などを教授しました。
※UNODC:United Nations Office on Drugs and Crime※MDA:Maritime Domain Awareness - UNODCと連携したMDA研修フライト
2月26日、MDA 研修の一環として、マレーシア、インドネシア、フィリピン、ブルネイの海上保安機関職員を当庁航空機に同乗させた上、当庁が実施する監視取締りについての研修フライトを実施しました。本研修フライトでは、マラッカ海峡付近の海域をレーダー等による監視を行い、オペレーション本部に報告するまでの手順を実践しました。なお、当庁航空機を活用したMDA研修フライトは、昨年に引き続き2回目の取組です。