富山湾の海底で斜面崩壊の痕跡を確認(第3報)~高岡市伏木沖の海底でも斜面崩壊~

発表日

令和6年12月2日

概要

 海上保安庁では、10月31日から11月2日にかけて、測量船「海洋」において富山湾の海底地形調査を実施し、高岡市伏木沖の海底において斜面が崩壊していることを確認しました。

本文

これまで、海上保安庁では、令和6年能登半島地震発生後における富山湾の海底地形調査について、富山市沖の海底谷の斜面が一部崩壊していることを報告しておりました(図1)。

 今般、高岡市の伏木検潮所においても地震発生の2分後に津波の第一波が観測されており、気象研究所が同検潮所の近傍にも津波の波源が存在する可能性があると指摘したことを踏まえ、測量船「海洋」により、高岡市伏木沖の海底地形調査を実施しました。

 本調査により取得した水深データと、新湊漁業協同組合(以下「新湊漁協」という。)から提供を受けた水深データを、平成22年(2010年)に北陸地方整備局伏木富山港湾事務所が取得した水深データと比較した結果、高岡市伏木沖の海底谷の斜面(水深約15~350m)が南北約3km、東西約0.5kmにわたって崩れ、最大10m程度深くなっていることが明らかになりました(図2、3)。

 今回のような今回のような斜面崩壊の情報は、船舶の航行安全のみならず、津波防災や漁業などの様々な分野に役立つことが期待されます。なお、富山県水産研究所から、「今回の調査で明らかになった斜面崩壊の痕跡は、漁場に影響を及ぼしていることを具体的に示すものであり、今後の操業位置の検討などに本結果が活用されることを期待します」とのコメントがありました。

 今回の調査結果については、12月10日に開催される地震調査委員会に報告する予定です。

図1 伏木沖の調査範囲
図1 伏木沖の調査範囲
※本図は測量船「海洋」、新湊漁協、北陸地方整備局伏木富山港湾事務所が取得した海底地形を重ねた図
図2 2010年と今回(2024年)の海底地形の比較
図2 2010年と今回(2024年)の海底地形の比較
図3 2010年と今回(2024年)の海底地形の比較(断面図)
図3 2010年と今回(2024年)の海底地形の比較(断面図)